生まれ月でみる日干「己」
日干が己の人を読むとき、生まれた月をあわせて見ると、輪郭が一気にはっきりします。
己は「陰の土」、作物を育てる田畑や沃野です。けれど同じ土でも、春の雨を吸って芽吹きを育てる田と、凍りついて春を待つ田では、まったく違う姿になります。
「日干『己』の性格」を読んで、当たっている部分とそうでもない部分があると感じた方――その理由は、たいてい生まれ月にあります。
なぜ月で変わるのか
四柱推命では、生まれた月を月支(げっし)といい、その人が置かれた「季節」を表します。
田畑にとって季節は、そのまま育てられる条件です。
- 水は足りているか(乾いた田では育たない)
- 陽は届いているか(凍った田も育てられない)
- 育てる相手(木)がいるか(作物がなければ、田は遊ぶ)
戊が「そこに在る山」なら、己は何かを育てるための土です。だからこそ、誰かの役に立てているかどうかが、そのまま手応えになります。
春に生まれた己――芽吹きを育てる田
寅月(2月・立春〜)――春雨を吸う田
春の入口。木が土を剋しはじめる月ですが、同時に育てる相手が現れる月でもあります。
己にとって木は、力を奪う存在であると同時に、存在理由でもあります。この月の己は、押されながらも芽吹きを支えます。
人を育てることに向いた土です。相手の様子をよく見て、必要なものを必要なだけ与えられます。ただ、自分のことは後回しになりがちです。
卯月(3月・啓蟄〜)――逆境で芽吹きを守る田
春のまん中。木の気がもっとも強く、土にとっては圧のかかる月です。
耐えることで役目を果たす己です。表からは苦労しているように見えないのに、実際には多くを引き受けています。
苦労を肥やしに変えられる人です。ただし、我慢が当たり前になりすぎると、限界に気づかれません。火(丙・丁)が命式にあるかが読みどころになります。火は木の勢いを引き受け、土を助けます。
辰月(4月・清明〜)――潤った沃野
春の終わり、同じ土用の月です。
同じ気が重なり、辰は水を蔵する土でもあるので、育てる条件がもっとも揃う月です。
実りを分け合う心を持ち、顔が広くなります。人に頼まれると断れないので、抱える量が増えがちです。引き受ける前に、手持ちを数える習慣がほしい人です。
夏に生まれた己――育てる力の満ちる、渇く土
巳月(5月・立夏〜)――薫風を受ける土
夏の入口。火が土を生じ、己に力が流れ込みはじめる月です。
人と人をつなぐ己です。あいだに立って場を整えるのが上手で、気づけばまとめ役になっています。
世話を焼く相手がいると力が出ます。ただ、面倒を見ているつもりが小言になっていることもあるので、そこは気をつけたいところです。
午月(6月・芒種〜)――緑陰深い沃野
真夏。火がもっとも強く、土が最も力を得る月です。
まるごと受け止める己です。誰でも受け入れる懐の広さがあり、そばにいる人が安心できる土壌になります。
ただし、渇きます。水(癸)が命式にあるかで、この月の己は大きく変わります。水があれば実り豊かな田に。なければ、与えるばかりで痩せていく乾いた土になります。自分を潤す時間を持てるかどうかが、生涯のテーマになりやすい人です。
未月(7月・小暑〜)――乾いた盛夏の田
夏の終わり、乾いた土用の月。未は木を蔵します。
厳しい条件でも実りを守り続ける己です。同じ土が重なって粘り強く、途中で投げ出しません。
型にはまらない知恵を持っています。人が思いつかない方向から答えを出すので、話があちこち飛ぶように見えることもあります。
秋に生まれた己――実りを迎える土
申月(8月・立秋〜)――実りを守る田
秋の始まり。土が金を生じ、与える側に回る月です。
地道に積み上げる己です。毎日同じことを続けられる勤勉さがあり、それが実りに変わります。
冒険はしません。派手な結果は出ませんが、任されたことを取りこぼさない安心感で信頼を集めます。
酉月(9月・白露〜)――収穫の田
秋のまん中。金の気がもっとも強く、実りが完成する月です。
豊かさを育てる己です。人が集まる場所をつくるのが上手で、実家のような安心感を持ちます。
金は土の力を漏らします。出すものが多い月なので、休むことも仕事のうちだと考えたい人です。
戌月(10月・寒露〜)――恵みを慈しむ晩秋の田
秋の終わり、同じ土用の月。戌は火の蔵でもあります。
厚みのある己です。土が重なり、内に火の温もりも持っています。手にしたものを大切にし、次へつなげる意識が強い人です。
一度引き受けたら投げ出さない責任感があります。反面、こうと決めた形を変えられないところがあります。
冬に生まれた己――春を待つ田
亥月(11月・立冬〜)――冬霞に広がる沃野
冬の入口。水の気が立ち上がります。
土は水を剋しますが、この月の水は量が多い。押し流されないよう、秩序を保つ側に回る己です。
与えられた場所で役目を果たす、縁の下の力持ちです。人に気を配りすぎて疲れやすいので、休むことを覚えたい人でもあります。
子月(12月・大雪〜)――雪の下の田
真冬。水がもっとも強く、土が凍える月です。
地上には何も育っていません。けれどその下では、確かに準備が進んでいます。
すぐに結果の出ないことを続けられる人です。毎日を積み上げる強さがあり、時間をかけて形にします。
寒さが強いので、火(丙・丁)で暖を取れるかが生涯のテーマになります。凍った田は、何も育てられません。
丑月(1月・小寒〜)――凍土の田
冬の終わり、同じ土用の月。凍りついた大地です。
春の実りへ養分を蓄える己です。動きたいのに動けない時間を、無駄にしません。
来たる季節の準備を怠らない人です。地味に見えても、そのときが来れば誰よりも早く芽を出します。
同じ月でも、同じにはならない
ここまで12ヶ月を見てきましたが、「同じ月に生まれた己は全員同じ」ではありません。
月支のほかにも、
- 命式全体に水がどれだけあるか(潤った田か、乾いた田か)
- 火が届いているか(暖かい田か、凍えた田か)
- 木がどれだけあるか(育てる相手がいるか)
こうした条件が重なって、ようやくその人の田畑の姿が決まります。
さらに、月支の奥にはもう一段深い読み方があり、そこまで見ると同じ「冬の己」でも、まったく違う人物像が浮かび上がります。
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まとめ
| 季節 | 月 | 己の姿 |
|---|---|---|
| 春 | 寅・卯・辰 | 芽吹きを育てる田。押されながら支える |
| 夏 | 巳・午・未 | 育てる力が満ちる。渇きへの備えが要る |
| 秋 | 申・酉・戌 | 実りを迎える。豊かさが表に出る |
| 冬 | 亥・子・丑 | 春を待つ田。暖を取れるかが鍵 |
己という日干は同じでも、生まれ月が変われば、育てられるものも、役割も変わります。
自分がどの季節の田畑なのかを知ると、「なぜ自分はこの環境で苦しいのか」「なぜあの場所では楽だったのか」の理由が見えてくることがあります。
四柱推命は、このように日干と月支を土台にしながら、そこへ大運の巡り、干支どうしの特殊な変化、五行のバランスといった様々な要素を重ねて読んでいきます。そうして、いま巡っている運があなたの望む方向と沿っているのかを見極めていきます。