十二支【巳】――極みに達する、はじまりの火
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み | み(し) |
| 五行・陰陽 | 火(陰の支) |
| 季節 | 夏(初夏) |
| 月 | 5月(立夏から芒種の前日まで) |
| 時刻 | 9時〜11時 |
| 方角 | 南南東 |
| 蔵干 | 戊・庚・丙(本気は丙) |
| 分類 | 四生(生支) |
巳が象徴するもの
巳は、夏の入口に置かれた火の支です。
草木は伸びきり、緑が濃くなる頃。陽の気が満ちてきますが、まだ真夏の激しさには至りません。
伸びることをやめ、実らせることへ向かう。巳が象徴するのは、そういう転換点です。
キーワード
知性・転換・内なる炎・戦略・美意識・繊細・executive
巳を持つ人
命式に巳を持つ人は、静かに燃える火の性質を帯びます。
午のように熱を撒き散らすのではなく、内側で確かに燃えている火です。頭の回転が速く、先を読んで動きます。感情に流されるより、計算して手を打つほうが得意な人が多くいます。
美意識の高さ、身だしなみへの気配りも巳の特徴です。細やかなところまで目が届き、洗練を好みます。
一方で、内に燃える火は外から見えにくく、誤解されることがあります。冷静に見えて、実は強い情熱を抱えている――そのギャップが巳の複雑さです。
陰の支なのに、中身は陽の火
巳は並びの上では陰の支ですが、蔵干の本気は丙――陽の火です。
外は穏やかで内は激しい。この「体は陰、用は陽」というねじれが、巳という支の奥行きです。控えめに見える人が、内側では大きな野心を持っている。そういう二面性として現れることがあります。
蔵干――巳に隠れているもの
| 蔵干 | 五行 | 配当 |
|---|---|---|
| 戊 | 陽の土 | 初気(節入りから約7日) |
| 庚 | 陽の金 | 中気(次の約7日) |
| 丙 | 陽の火 | 本気(以降) |
巳は金の生支でもあります。三合金局(巳酉丑)の起点にあたるため、内側に庚――金を抱えています。火のなかに金があるという構造で、火が金を鍛える関係が支の内側で起きています。
蔵干がすべて陽干で揃う支です。
巳と結びつく支
三合|巳酉丑――金局
巳・酉・丑が揃うと三合金局となります。巳が金を生じ、酉が旺じ、丑が納める。巳はその起点(生支)であり、金を生み出す役目を担います。
方合|巳午未――夏・火
巳・午・未は南方の三支。揃うと夏の火がひとかたまりになります。巳は夏の始まりに立つ支です。
支合|巳申
巳は申と支合します。合すると水に化すとされる関係です。
巳とぶつかる支
冲|巳亥
巳の対極にあるのが亥です。火と水のぶつかり合い。水が火を消す形になるため、巳にとっては勢いを削がれる衝突となります。
刑|寅巳申の三刑
寅・巳・申の三つは互いに刑の関係にあります。巳は支合する申と、刑・破の関係も同時に持ちます。
害|寅巳
破|申巳
まとめ
巳は、伸びることをやめて実りへ向かう、転換の火です。
静かに燃え、先を読み、細部まで手を届かせる。命式に巳を持つなら、その知性と内なる熱が、あなたを動かす力になっています。