十二運【衰】――円熟のエネルギー
衰(すい)は、帝旺の頂点を過ぎ、力が内側へ向かいはじめる運です。名前の印象ほど弱い運ではなく、経験が知恵に変わる段階にあたります。
人生に例えると
衰は、絶頂期を過ぎ、少しずつ力が落ち着いていく時期です。
しかし、それは衰退ではありません。激しく燃えた炎が落ち着き、深みと円熟味が増していく――そういう成熟のエネルギーを持った運です。
キーワード
円熟・落ち着き・深み・経験・安定・内省
エネルギーの性質
衰は、激しさより深さを持つエネルギーです。
若い頃の勢いは落ち着きますが、代わりに経験と知恵が積み重なります。物事を焦らず、じっくりと見極める力があり、周囲から頼られる存在になりやすい傾向があります。
表面上は穏やかで控えめに見えますが、内側には豊かな経験と洞察力があります。
力を誇示するより、静かに深みで勝負する――それが衰のエネルギーです。
十二運のなかでの位置
十二運は、長生・沐浴・冠帯・建禄・帝旺(力を増していく前半)、衰・病・死・墓・絶(力を手放していく後半)、胎・養(次へ向けた準備)という流れで巡ります。
衰は後半の入口。帝旺の勢いが収まったところで、エネルギーが外向きから内向きに切り替わります。派手さはなくなりますが、失われたわけではありません。
四柱のどこにあるか
年柱(幼少期・先祖・父親)――子どもの頃に苦労を経験しやすい柱です。そのぶん早く落ち着きが身につきます。
月柱(青年期・家庭・仕事・才能)――十二運でもっとも重く見る柱です。ここに衰があると、目立つ活躍より、堅実に役目を果たす形になります。派手さより信頼で評価される人です。
日柱(自分・配偶者・健康)――本人の穏やかさが前に出ます。控えめで、争いを好まない気質になりやすい柱です。
時柱(晩年・子・部下)――静かな晩年になりやすい柱です。子や部下も落ち着いた人になりやすいとされます。
運の巡りで出会うとき
大運や年運で衰が巡る時期は、手を広げるより整える時期です。帝旺で広げたものを見直し、要らないものを削る動きが向いています。
新しい勝負には向きませんが、後半へ向けた土台づくりには最適な時期です。焦って動くと空回りしやすくなります。
日柱が衰になる日
六十干支のうち、日柱が衰になるのは次の4日だけです。
甲辰・乙丑・庚戌・辛未
いずれも地支が辰・丑・戌・未(土の支)で、エネルギーが内へ向かう性質が干支の並びにも表れています。